第2話 色鮮やかな秘密基地


○色とりどりの花が咲いている庭園 城の前


その日私は、イリスに招待されて色彩の国へとやって来た。


@ユリア

「わぁ・・・何て綺麗!」


初めてみるその景色は、様々な花が咲き誇り、とても鮮やかな美しい世界。

見た事もないような不思議な花もたくさん咲いている。

思わず感嘆の声を上げた私の隣で、イリスが小さく笑った。


@イリス

「・・・そんなにいい反応してもらえるとは思わなかった。連れてきた甲斐があったよ。」


@ユリア

「だって。こんなにカラフルな庭を見たのは初めてで。」


その時、ふわっと柔らかな風が吹き、ほんのり甘い花の香りが鼻をくすぐった。


@ユリア

「いい香り・・・イリスの国は、お花も、空気も綺麗なんだね。」


@イリス

「ありがとう。自慢の国だからね。」


その時


@メイド

「イリス様!!お戻りだったのですね!!」


一人の、メイドの服に身を包んだ小柄な女性が駆け寄ってきた。


@イリス

「レイラか。久しぶり。」


@レイラ

「はい!!イリス様の帰りを、ずっと待っていたのですよ。」


レイラと呼ばれた女性は嬉しそうにイリスを見つめる。

若いようにも見えるし、大分年上にも見える。年齢不詳な女性だ。


@イリス

「それは、ありがとう。心配をかけたね。ユリアさん、こちらは、レイラ。幼いころから、俺と妹の世話を焼いてくれていた人だ。」


@レイラ

「はじめまして。・・・ええと・・」


@ユリア

「ユリア、といいます。」


私は、レイラさんに簡単に今までのいきさつを説明した。


@レイラ

「そうだったのですか!あなたが、イリス様を・・・感謝いたします。ユリア様。」


@ユリア「いえ、そんな。」


@イリス

「レイラ、今日は彼女を王家の花畑へ案内しようと思ってね。」


@レイラ

「それは名案でございます!きっと喜んでいただけますわ。」


@ユリア

「花畑があるの?」


@イリス

「そう。俺のお気に入りの場所。妹も大好きだった場所なんだ。」


そういうとイリスは、かるく手招きをして、前を歩き始めた。

置いていかれないように小走りについていくと、その後ろをレイラも少し離れてついてくる。


@イリス

「レイラは、先にお城で彼女を迎える準備をしていてもらえると嬉しいな。」


@レイラ

「そうですか!かしこまりました。それでは、後ほど。」


レイラさんは恭しくお辞儀をすると、穏やかな微笑みを残して、私たちから離れて行った。


@ユリア

「久しぶりの再会なのに、いいの?」


@イリス

「お城に戻れば、また毎日会うからね。」


そう答えるイリスの口調が、どこか冷たい気がして、私は何か違和感を感じた。


(あまり、仲は良くないのかな・・・?昔から一緒にいるのに??まるで距離を置こうとしているみたい)


@イリス

「さぁ、着いたよ。」


少し小高い丘に登ったイリスが、「見てごらん」と言わんばかりに両手を広げた。


私もあわてて丘に登ってみると・・・


○一面色鮮やかな花畑


@ユリア

「わぁ・・・・!!」


そこは、天国に来てしまったのかと錯覚してしまうほど、どこまでも続く花畑。

色とりどりの花が視界一面に広がっていた。


@イリス

「綺麗だろう?俺の可愛い子供たち。」


@ユリア

「もしかして、イリスが育てているの?」


@イリス

「そう。こう見えても俺は植物を育てるのが得意なんだよ。花のそばにいる時が、一番落ち着く・・・」


@ユリア

「なんだか、意外。」


思わずそう言うと、イリスは「やっぱり?」と笑う。


@ユリア

「でも、とても素敵な一面だと思う。」


イリスは、少し驚いたように目を見開き、それから優しく微笑んだ。

心なしか頬が赤らんでいるように見えたのは、花畑の赤い花が、目に焼きついたせいだろうか・・・


@イリス

「不思議だ。この花畑は、俺の大切な場所。今までは誰も案内したことなんてなかった。」


@ユリア

「え??そうなの・・・?」


@イリス

「そう、秘密基地なんだ。俺と、今は亡きルシエルの。」


イリスがいたずらっぽく笑う。その表情はまるで少年だ。


@ユリア

「そんな大切な場所を見せてもらってよかったの?」


@イリス

「どうなんだろうね・・・」


@ユリア

「え??」


@イリス

「自分でも、わからない・・・でも、見せたいと思った。ユリアさんに、この景色を。」


その言葉に、胸が高鳴る。


(それは私が、妹さんに似てるから、だよね)


わかってはいても、少し特別だと言われた気がして嬉しかった。


@イリス

「さぁ、それじゃあお城へ招待するよ。レイラがご馳走を用意しているはずだから。」


@ユリア

「うん!イリス、本当にありがとう。」


@イリス

「・・・どういたしまして。」


私とイリスは、微笑み合って、ゆっくりとお城へ向かって歩き始めた。


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